木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選:

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)講演会レジェメより「(民法・相続)相続をめぐる法律上の諸問題3」

木村 峻郎 弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)-講演会レジェメより
テーマ:「相続をめぐる法律上の諸問題③」講演会レジェメより、抜粋(民法・相続)
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

◆ご挨拶

◎近時に行なった講演のレジュメを掲載致しましたところ、思わぬ好評を頂きました。そこで「6~7年前のものであっても、他にレジュメがあるのであれば、是非掲載して欲しい」と、御要望がありました。そのため、レジュメの内容が既に掲載したレジュメの内容と一部重複するものもありますが、何か今後のお役に立てればと思い、これらのレジュメも掲載させて頂いております。
これについても皆様方の感想をお聞かせ頂ければ有難く存じますが、如何でしょうか。

木村 峻郎(アイランド新宿法律事務所 代表弁護士)

平成18年5月22日
(注)上記日付時点の法令に基づき、作成されております。

アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

「限定承認」

【みなし資産譲渡】
【申告義務者に限定承認をした者】
限定承認をした相続人がみなし資産譲渡所得税について納税義務を負担していることから、不動産の処分が長引いているときは徴税担当者より「被相続人の固有財産で立替払いをする」ことが要求される場合がある。

【判例】
これに対しては、相続債務の引き当てになるのは相続財産のみであり、被相続人の固有財産は相続債務の引き当てにならないことを主張し、争うべきである。
(大審院 昭和7年6月2日 民集11・1099参照)

[みなし資産譲渡制度]
相続税+「みなし資産譲渡所得税」
所得税法59条1項は「限定承認があった場合には相続時に資産譲渡があったものとみなす」旨を規定している。これは「被相続人の所有する資産の価格上昇益」について被相続人の所得として課税するものである。

[相続税の計算]
相続財産価額-(固有の相続債務+みなし譲渡所得課税額+基礎控除全額)

※<参照条文>
[所得税法59条]
①次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じたときに、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があったものとみなす。
1.贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
2.省略

[資産を評価する基準時=相続時]

[準確定申告の期限]
1.「その相続開始のあったことを知った日の翌日」から起算し、4ヶ月を経過した日の末日まで。
2.「熟慮期間の伸長」が行なわれた場合、法定の期間内に準確定申告をすること自体が実際上困難となる。しかし、放置していると懲罰的な意味を持つ「不申告加算税」が課される可能性があるので、国税通則法11条「災害等のやむを得ない理由により申告できない」場合に準じて、2ヶ月間申告を延長しておくことが良い。
3.但し、負債が財産を超えるときは限定承認をした相続人の責任に変わりがない。もっとも加算税・延滞税は優先権があるので他の債権者の配当額は影響を受ける。

[限定承認と物上保証人=連帯保証人の責任]
限定承認が為されても物上保証人や連帯保証人の法律上の責任には影響はない。従って相続人が被相続人の債務を連帯保証している場合には、その債務負担を免れるために限定承認をする意味がない。

【相続の放棄】
相続の放棄とは,「相続人にならなかった」という取扱をすることで、被相続人の権利義務の承継を全面的に拒否する行為をいう。

※債務超過の状況にある相続人Aが資産のある親甲の相続に際して、「相続放棄」した場合

【判例】
相続放棄のような身分行為は他人がこれを強制すべきでなく,詐害行為取消権の対象とならない。
(最判昭49.9.20)

[放棄の方法]
相続の放棄は,家庭裁判所に対してその旨を申述することによってなされる(§938)。3ヶ月の熟慮期間内になすこと,相続財産の調査を許されることは,限定承認と同じである。

[放棄の効力]
相続の放棄者は,その相続については初めから相続人とならなかったものとみなされる(§939)。すなわち,相続の放棄は,相続開始の時に遡ってその効力を生ずる。

【判例】
相続の放棄がなされると,相続人は相続開始の時に遡って相続しなかったことになり、このことは何人に対しても登記なくして、その効力を主張できる。
(最判昭42.1.20)

※放棄者の相続分は相続財産の中へ戻し,改めて放棄者を除いて算定された相続分が配分されることになる。

※相続の放棄者は,自己の財産におけるのと同一の注意義務をもって,相続財産の管理をすれば足りる。
(§940-Ⅰ)

<参考引用文献>
「限定相続の実務」 弁護士 服部廣志著作、(有)オブアワーズ編集
「コンパクトデバイス3法Ⅱ」 早稲田経営出版

以上

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選ぶ‐291113-1

木村 峻郎 弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)講義レジェメより抜粋
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

木村 峻郎 先生が厳選した重要判例100選!「判例」一覧へ:

木村 峻郎 先生が厳選した重要判例100選!:へ