木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選:

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)講演会レジェメより-「税理士が知って得する法律知識 ~税務調査から訴訟に至る、弁護士の上手な利用方法~より 」ー保証債務ー

木村 峻郎 弁護士が厳選!重要判例100選-講演会レジェメより-(税理士の先生方へ)
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

テーマ「税理士が知って得する法律知識~税務調査から訴訟に至る、弁護士の上手な利用方法~より抜粋」

平成24年9月21日
(注)上記日付時点の法令に基づき、作成しております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

「不動産売却による保証債務の履行と非課税」

【事案】
会社は銀行から融資を受け、代表取締役Aが連帯保証債務を負担した。しかしその後会社は資金繰りに窮したため、Aは自宅不動産を売却し、その代金で銀行に弁済をすることを考えている。この場合、自宅不動産の売却によるAの譲渡所得が非課税になるための該当条文とその要件は何か。

◎1)条文
所得税法64条2項

◎2)要件=証拠により証明を要する事実
①保証人が保証債務を履行するために資産を譲渡したこと。
②債務者が無資力であり、求償権が行使不能であること。
③申告手続の遵守。
④主たる債務者が既に債務を弁済することができない状態であるにも拘わらず、保証をした場合ではないこと。etc.

「各要件の意味内容」

【要件解釈における判例の一般的な傾向】
1)所得税法64条2項が「国の恩情から設けられた特例」であるため、各要件を厳格に解釈適用している。

2)証明責任=保証人に負担させる。

要件に該当しないため非課税扱いにならないケースが多数。

「保証債務の履行のための譲渡」という要件の検討」

【判例上特例が適用されなかった具体例】
1)裁判所は保証人Aが土地を譲渡した代金を会社に交付し、会社がその金銭で債務の弁済をしても、それは「保証人Aの会社に対する単なる貸付」であり、当該不動産の譲渡は保証債務の履行のために為されたものとは認められないと判断した。

【判例の理由】
①銀行から保証人Aに対し「保証債務の履行の請求が為されていない」こと。
②銀行の経理処理は「会社から返済を受けたものと処理し、保証人Aから返済を受けたという取扱をしていない」こと。

※この判例に従えば、保証人が①銀行からの請求を受けること、②保証人の名義で返済することが必要である。ちなみに銀行は保証人に対し、口頭で返済を促すことがあっても「期限の利益を失わせる」という最終段階に至らなければ、保証人に対し催告書面を送付しない。

※③保証人の名義で返済すること
保証人が調達した金銭でも、債務者名義の銀行預金口座に入金させ、その口座から返済金を引き落とすため、返済者は保証人ではなく債務者ということになる。

以上

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選-291108-3

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