木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選:

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)「総集編:民法判例①不法行為」

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)
「総集編:民法判例①不法行為」

仮運営(テスト掲載)期間中、掲載した判例を分野別まとめております。

【事実行為的不法行為】とは?
①危険物型(自動車事故等)
外形標準説
(最判昭39.2.4)

②暴行型
事業の執行行為との密接関連性(最判昭44.11.18)、暴力団の資金獲得活動と殺傷行為の密接関連性(最判平16.11.12、百選Ⅱ83号事件)
∵報償責任の原理
(注)①型について、外形に対する信頼は問題とならないから、外形標準説は妥当せず、報償責任の原理から、使用者の支配領域内の危険か否かを基準とすべきであるとする説がある。

【共同不法行為】
①各人の行為が独立して不法行為の要件をみたすこと
各人の行為と損害の間に因果関係が必要か
・各人の行為が不法行為の一般的成立要件をみたすことが必要。
(大判大8.11.22)
∵共同不法行為といっても。その基になるのは各人の行為である。

【共同不法行為】
①各行為者間に「共同」関係があること
「共同」の意義~関連共同性の内容
・社会的にみて数人の加害行為が一体とみられる関係にあることで足りる。
(客観的関連共同説 大判大2.1.26)
∵719条の趣旨である被害者の救済という見地からは、客観的関連共同性があれば足りると解すべきである。

【共同不法行為】
①効果
「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」の意義~責任の性質
不真正連帯債務。
(裁判昭57.3.4)
∵①被害者保護という719条の趣旨②共同不法行為者間に主観的結合関係はない。

【共同不法行為】
①他の共同不法行為者に求償できるか?
自己の負担部分を超えて支払った場合には、他の共同不法行為者に求償できる。
(最判平3.10.25)
∵①不真正連帯債務と解すると、負担部分がないことから求償は否定されそうだが、それでは損害の公平な分担という理念に反する②客観的な結果発生の寄与度に応じて、各不法行為者の負担割合を認定できる。

「被害者」の「過失」とは?

「過失」の意義~過失相殺能力の意義 被害者に責任能力が備わることは必要でなく、事理弁識能力(損害の発生・拡大を避けるのに必要な注意能力)があればよい。
(最大判昭39.6.24、百選Ⅱ93事件)
∵過失相殺は、不法行為者に対し損害賠償責任を負わせる問題とは異なり、損害の公平な分担という見地から損害の発生について被害者の不注意をいかに斟酌するかという問題である。

「被害者」の過失に被害者側の過失も含まれるか?
・被害者と身分上、生活関係上一体と見られる者の過失は、被害者側の過失として含まれる。
(最判昭51.3.25)
∵被害者本人の過失でなくても、被害者と身分上、生活関係上一体と見られる者の過失を斟酌することが、損害の公平な分担という722条2項の趣旨に合致する。
(注)判例の中には、身分上生活上一体関係がない場合であっても、共同暴走行為の一環としてなされた行為に関して、被害者側の過失を考慮できるとしたものがある。
(最判平20.7.4、重判平20民法10事件)

被害者の心因的要因とは?
~身体的要因は損害賠償請求において斟酌されるか?~

【心因的要因】
身体に対する損害が、加害行為のみによって通常発生する程度・範囲を超えるものであり、且つその損害拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、722条2項を類推適用することによって、その損害の拡大に寄与した被害者の事情を賠償額の算定に考慮することが出来る。(最判昭63.4.21)
∵被害者の「過失」ではなく、直接適用できないが、損害の公平な分担という722条2項の趣旨は妥当する。

【身体的要因】
被害者に対する加害行為と加害行為前から存在していた被害者の疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様、程度等に照らし、加害者に損害の全部を賠償させるのが公平に失するときは、裁判所は損害賠償の額を定めるにあたり、722条2項を類推適用して、被害者の当該疾患を考慮することができる。
(最判平8.10.29、百選Ⅱ94事件)
∵被害者の「過失」ではなく、直接適用できないが、損害の公平な分担という722条2項の趣旨は妥当する。

もっとも、被害者が平均的な体格・体質と異なる身体的特徴を有するが、それが疾患に当たらない場合には、原則として考慮することができない。
(最判平8.10.29、百選Ⅱ94事件)
∵人の身体には当然に個体差があり、個体差の範囲内の身体的特徴を要因とする損害の拡大は、当然に予定されている。

「総集編:民法判例②」へ続く

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

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