木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選:

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)「実務における税務署と裁判所との取扱いの違い」講演会レジェメより

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選(法律学習用)
講演会レジェメ「裁判における土地の効果的な利用方法~実務における税務署と裁判所との取扱いの違い~」より
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

平成28年4月6日
(注)上記日付の法令に基づき、作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

「加算税・延滞税の取扱い」
最高裁判所の判例(平成26年12月12日)
①納税者が相続税を法定納期限内に申告及び納付をした後、その申告に係る相続税額が過大であるとして更正の請求をした場合において、その後、
②所轄税務署長において、相続財産の評価の誤りを理由に減額の更正処分をした後、
③再び相続財産の評価の誤りを理由に当初の申告額に満たない増額の更正処分をしたときは、相続税の法定納期限の翌日から増額の再更正により納付すべき本税の納期限までの期間については、延滞税は発生しない。

「実務における税務署と裁判所との取扱の違い」

1.相続不動産の評価方法の違い
(1)土地
①税務署=路線価による評価
※小規模宅地の特例等が認められている。
②裁判所=時価による評価であり、小規模宅地の特例の適用等は認められない。
※農地の評価が問題となる場合が多い。
(2)建物
①税務署=固定資産税評価額が原則
②裁判所=固定資産評価額を原則とするが、転売物件や収益物件である場合には、市場性、収益性等を踏まえた時価評価

2. 評価時期の違い
①税務署=相続開始時を基準に評価
②裁判所=裁判時を基準に評価
※相続開始後の遺産分割の申立又は審判(判決)の申立手続における評価

3.裁判所の時価評価の方法
(1)調停や和解における評価方法
◎簡便な実務上の取扱
①路線価によるもの又はその1.25倍の価額
②固定資産税評価額で評価するもの又はその1.25倍の価額
③公示価格で評価するもの             etc.

(2)鑑定の実施
裁判所が「鑑定人名簿」の中から鑑定人を選任し、鑑定を行わせる。
(短所)
①鑑定人の宣誓等、選任手続が煩雑で、時間がかかる。
②鑑定費用は裁判外で依頼する場合と比べて、高額となる。

◎留意点=土地評価の実益
① 遺留分侵害の有無及び侵害額の算定
② 被相続人が相続人に対し行った「相続開始10年前の贈与」でも相続財産に算入し、遺留分侵害の有無及びその程度を判断

◎生前贈与の取扱(特別受益 民法903条)
(1)税務署=相続開始日より3年以内に為された贈与は相続財産とする。
(2)裁判所=特別受益に該るものは、相続開始の10年以上前に為された贈与であっても、相続財産として取り扱う(民法903条)。
※この場合受贈者には既に相続財産の前払いを受けたものとして取扱い、受贈者の相続分から特別受益額を差引く。
※40年前に贈与を受けた「10万円」の土地が、相続開始時には「1億円」であったときは「1億円」の贈与を受けたものとして扱う。
※特別受益に該らない場合には、相続が開始する前3年以内の贈与であっても、それは相続財産として扱わない。

以上

木村峻郎弁護士が厳選!重要判例100選291130(PDF)

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講演会レジェメ「実務における税務署と裁判所との取扱いの違い」より
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